食材としてのスッポン
健康食品として親しまれてきたスッポン。
日本でも、多くのスッポン料理が考案されています。
古来からスッポンは、健康を維持するための民間薬として利用されてきた経緯もあり、人々はスッポンに対して、特別な何かを感じていたのは間違いないでしょう。
今回は、そんな健康食品「スッポン」の料理方法について、皆さんにご紹介させて頂きます。
スッポンの成分が、ドリンク剤やタブレットとして販売されている理由を感じていただければ幸いです。
スッポン料理の歴史
スッポン料理の歴史は古く、日本で確認されている最古の物は縄文時代に遡ります。滋賀県にある栗津湖底遺跡からは、縄文時代中期のスッポンが出土しています。
弥生時代になると、遺跡からのスッポン出土事例が非常に多くなります。
それが、弥生時代にはすでにメジャーになっていたのではないかと考えられている根拠です。
スッポンは主に西日本の文化として定着していましたが、その食文化は徐々に関東地方へもたらされ、東京都葛飾区青戸の葛西城跡からは、中世末期から近世初頭にかけての多くのスッポンが出土しています。
スッポン料理のレシピ
スッポンは味の良い出汁が出るため、多くのレシピが考案されています。日本酒とスッポンのスープや吸い物は、高級料理として有名。
さらに、そのスープや吸い物に利用される土鍋は、スッポンの味が染み付いているため、少量の醤油だけで美味しい雑炊が出来上がります。
スッポンは、甲羅、爪、膀胱以外は全て食材として利用できるほど、まんべんなく食べるられるのが特徴です。
スッポン専門店では、食前酒として「スッポンの生き血を日本酒で割ったもの」を提供します。
日本酒ではなく、ワインで割ったものを提供するお店もあります。
また、料理とは少し異なりますが、古来から健康食品としての料理研究も実施されていたようです。
スッポンをまるごと乾燥させ、砕いて粉末にしたものを食べていたという記録が残っています。
古来から珍重されてきたスッポン
古代中国の書物「周礼」によると、周の時代にはスッポン専門の料理人「鼈人」という官職が設けられており、宮廷で出されるスッポン料理を作っていたと記載されています。その技術は受け継がれており、現在では、安徽料理のポピュラーな食材として知られています。
また、韓国では、サムゲタンに入れる高級食材として知られており、「龍鳳湯」として親しまれています。
スッポンの肉質は水分が多く含まれており、タンパク質や脂質が少なく、低カロリーな食材です。
その代わり、ビタミンAやB1が多く含まれており、健康食品として認知されています。
いかがでしたでしょうか?
スッポンが、健康食品や健康ドリンクとして人気を博している理由の一端を、ご理解いただけたかと思います。
毎日続けて、すっぽんで若々しく健康的な体を維持していきましょう。